独りの帰り道【ショート・ショート41】
冷たい風に吹かれ、顔が痛い。指もかじかんでいる。そんな状態にも関わらず、アジカンの『リライト』が脳内に響いていた。 サビの「消してー」のタイミングで左人差し指で内側に押す。ハンドルとブレーキの間にあるギアシフトのレバー...
冷たい風に吹かれ、顔が痛い。指もかじかんでいる。そんな状態にも関わらず、アジカンの『リライト』が脳内に響いていた。 サビの「消してー」のタイミングで左人差し指で内側に押す。ハンドルとブレーキの間にあるギアシフトのレバー...
12月に入って、寒さが堪える時期になった。冬は得意じゃないし、いい記憶もない。むしろ嫌いな季節に入るけれども国内にいると逃げることはできない。仕方がないから、今日も震えながら生きている。十連勤という社会の闇を走り抜けた先...
誰もいない部屋には飲んだ記憶のない ビールの空き缶が何本も転がっている。 仕事を終えてから一人で飲んだ結果 作業着姿のままに眠ってしまったようだ。 窓から遠慮なく入り込む隙間風が 湿った空気を絶えず部屋に取り込んでいる。...