愚か者【ショート・ショート75】

 キーボードを叩く音が狭い部屋の中に響く。多くの人が寝静まる丑三つ時、オフィス街の一角で眠りを忘れた愚か者は、社会に取り残されたように画面と向き合う。朝と夜の概念を忘れて生きるなんて、思えば大学生以来だ。
 酒とタバコを片手に夢や希望で溢れた明るい未来を語ったのは遠い過去。あの頃描いた景色をひと時だけ見ることはできたけれど、長くは続かなかった。現実は甘くはないと身を持って知った。夢見心地だった時間をセピア色にでも編集すれば飲み込めるのかもしれないけれど、悪意に満ちた真っ黒さと諦めを表すかのような灰色で編集をして飲み込んだ。
 失敗は成功の基と能弁に語った奴を全力で殴りたいと思った時期もあったが、怒りは長期的に続くものでは無い。気付けば、全ての事柄を都合の良く切り取って、自分ではない誰かの事柄として俯瞰するしかできなかった。
 たった一つの失敗が人生を狂わす。社会に蔓延る悪しき風習を反面教師として伝えられたことだけが唯一の救いか。
 十畳ほどの広さの守衛室には似つかない大きなサーバーが幾つも並んでおり、静かにネットと現実を繋ぐために活動を続けている。左腕にパソコン乗せ、右手だけで器用に操作する。真っ黒な画面に浮かぶ文字は無機質で温かみが抜け落ちている。プログラムが出題する設問に対して何度も解答しているけれど、返答はナンパやキャッチを無視する街中の女性のように冷たい。まるで自分が拒否される存在であることを鋭角な角度から突きつけられているみたいで気持ちが萎える。何度繰り返しても拒否されるうちに、問題の深刻さに気付いた。
「これは朝までコースか」
 ため息交じりに小言を呟く。左手に乗せたパソコンをテーブルの上に置き、一個千円くらいの安いパイプ椅子に腰かける。両手でタイピングしないといけない状況に陥るのは想定外だった。どうやら最近入った相棒の不手際が影響しているようだ。
 頭を掻き毟りながら、タバコが吸いたいと思った。それを許してくれる状況では無いのは明白だ。仕方がなく頭に浮かぶ可能性を潰していくことが最善の一手だと知っているからこそ、欲望を律して手を動かす。プログラミング相手では無く、生身の人間との会話や創作活動であれば、多少なり充実感を得られるかもしれない。でも結局は白か黒かしか判断できない機械との会話だ。こちらは歩み寄って向こう側の言語で対応しているのに、うんともスンとも言わない。まるで独り言じゃないか。なんて寂しいのだろうか。そして自分自身がひどく切ない場所で生きていることを実感した。

「すみませんでした」
 後輩の井上が事務所で頭を下げたのは、午前五時を過ぎた頃だった。空腹と寝不足が相まってひどく機嫌が悪いけれど、平静を保って大人の対応を心掛ける。相手はまだ二十三歳。失敗して当然だ。この失敗が社会の暗黙のルールを違反せず、人生のレールから踏み外さないのであれば貴重な経験になるだろう。
「ミスは誰にでもあるよ。同じミスを犯さないように反省して、次に生かせばいい」
「本当にすみませんでした」
 井上は頭を上げない。初めてサーバー保守の業務に入った時に、高校で野球部に所属していたと話していたことを思い出す。甲子園にも出場する名門校だったからこそ培ってきた体育会系の系譜が身体に刻まれているのだろう。穿った見方をすれば、頭を下げ必死に謝っているように見せていれば、物事は勝手に解決すると思っている節があるとも捉えられる。正直、どっちでも良かった。さっさと頭を上げ、日報と報告書を書いてくれれば、オレはタバコを吸いに行けるのだ。
 いつまで経っても頭を上げない井上に付き合うことに我慢できず、頭を下げ続ける井上の肩を叩き、守衛室を後にした。本来であれば業務時間でタバコを吸いに行くなど本来であれば御法度だが、今日は休憩時間を丸々プログラムの修正に取られてしまったから構わないだろう。守衛室のある地下階から地上へと繋がる階段を登り、灰皿のある業者用の搬入口を目指した。誰もいない静かで薄暗い廊下に足音が虚しく響く。この場所にいてはならない幽霊みたいな存在だと言わんばかりの規則正しい音。重たい足取りが、より重たくなる。しかし習慣は裏切らない。毎週のように足を運ぶからこそルートは明確で、何も考えなくても最短ルートで進むことができる。恐らく、このビルで日中働いているエリートサラリーマンよりも詳しいなんて虚しいことを思った。
 地上に出ると申し訳ない程度の朝日がオフィス街を照らしていた。スーツを着たサラリーマンやOLの姿は見当たらず、閑散とした街並みはシャッター商店街を想起させた。不意に吹き付けてきた風には、冬の特有の冷たさは生み出す痛みを感じる。自然と身体が震えた。もう冬だな、と呟いた声は白く色付く。作業着だけではと心許ないと守衛室を出る時に手に取ったダウンジャケットを羽織った。
 ビルとビルの間、通行人から完全に死角になるポイントに立ち、胸ポケットからラークの箱とライターを取り出す。疲労なのか、寒さなのか、原因不明の手の震えが気になった。タバコを咥えて火を点けようとしたが、上手く手に力が入らない。自分の腕が自分の腕ではないような感覚、まるでマリオネットみたいだ。
 締め切り間際の中、徹夜で脚本を書いた時に味わった感覚に似ていた。それだけ集中して、パソコンと向き合っていたと気付く。簡単に火が付かないように調整された百円ライターにイライラが募る。このままタバコを吸えないのは生き地獄だ。
 なんとか火を点すことができた。さっきまでの悪戦苦闘が嘘みたいに、瞬く間に先端が燃え、ゆっくりと空へと向かう煙が漂い始める。特有の毒々しさが全身に巡っていく。貧血かと思ってしまうくらいに視界が揺れた。ヤニクラに陥るなんて、相当疲れているのだと自覚的になった。
 高層ビルのせいで見た目よりも遠くに感じる空を眺めながら、煙を吐き出す。吐息よりも濃い白、いや灰色が目の前に浮かび、そして消えていく。あと数時間も経過すれば、街は表情を変える。色が落ち始めた作業着は異物になり、代わりにスーツ姿や巷でオシャレだと評価を受ける服装を身に纏った男女が溢れ出す。そしてオフィス街特有のスタイリッシュな雰囲気が漂う。朝と夜の雰囲気が異なるのはどの場所でも常だが、この場所は歓楽街と学校と同じくらいに劇的だ。不意に女性と過ごした夜と朝の違いが脳裏に浮かんだ。
 煙を吸っては吐き出すという般化した一連の流れを何度か繰り返していると、ポケットに忍ばせたスマホが、ヴッ、と震えた。震えの短さから推測するにラインの通知だ。短くなったタバコの火を携帯灰皿の淵で消して押し込んだ。ゆっくりと地下へと向かい歩き出す。地上を徘徊する数匹のカラスの姿が目に映った。

 憔悴し切った表情を浮かべる井上の横に立ち、ぼんやりと部長の説教を聞いていると、何だか学生時代に戻ったかのような錯覚に陥る。中学時代、陸上部に所属していた頃は、昭和の根性論と平成のエビデンスを元にした科学的な理論が共存していた。殴られたことは数えるほどだし、練習や試合中に水分補給をすることもできた。しかし、部活に所属していることから発生する集団論、連帯責任論は健在だった。こうして誰かが起こしたミスについて共犯者だと言わんばかりに説教を受けることは思い出すのも億劫なくらい記憶にある。場数のせいか、無意味で儀式めいた時間を過ごすことへの抗体は、根強く身体に残っていた。
「今回は灰谷が対処してくれたから問題なかったけれど、次はないと思え」
 怒りで顔を赤くした部長は、持っていた日報を机に叩きつけて怒鳴った。激しい衝突音と耳障りで仕方がない大声は、静かな事務所に響いた。朝から元気だと感心してしまうし、立派なパワハラを無関係の職員の前で実施できる時代錯誤の行動に拍手の一つでも送ってやりたいとすら思った。
 従順なフリを演じる部員のように直立不動の姿勢のまま目だけを動かして職員の様子を伺う。誰もが下を向く中で、入社時期がほぼ一緒であり同期の位置づけにあたる笹崎は笑いを堪えていた。オレとは違うビルでオレと同じように深夜勤務をしていたとは思えないくらい疲れていなかった。そんなことを感じてしまうと、自分が大人になってしまったことを思い知る。
 そういえば、こういう奴ってクラスに一人はいたよな。他人の不幸は蜜の味ということを子供ながら知っている性格の悪い、それでいて立ち回りの上手い奴。すぐに三井の顔が浮かんだのは、オレが説教を受けている時物陰に隠れて三井が笑いを堪えていることが多かったからだろう。アイツは修学旅行で男子生徒と女子生徒が同じ部屋で話していることなどのゴシップや誰かが怒られているといった情報に敏感で、現場には高い頻度で姿を見せていた。笹崎と初対面の時に三井と同じ匂いがしたのはあながち間違いではなかったようだ。
「で、灰谷」
「はい」
「お前は何で注意しなかったんだ?」
 虚を突かれて、笑いそうになった。部長は自分の言ったことを覚えていないのだろうか。お前が「井上は前途ある若者だ。とりあえずは何も言わずに見守ってやれ」と言ったんじゃないか。喧嘩腰で言い返したくなるが必死に堪える。経験上、愚策でしかないし、余計に時間を取られる。それは勘弁してほしい。
「すみません」
 謝罪の言葉を口にしてから、静かに頭を下げる。何のために頭を下げているのか分からなくなる。頭を下げることに躊躇いなんてのはないけれど、何十、何百と頭を下げる動作を繰り返していくうちに効果や意味を失っていると感じることがある。本来であれば、頭を下げることには相応の覚悟や意思が必要なのだ。そのことをここ最近忘れかけていることに気付く。
「頭を下げとけばいいと思っているな」
 部長の声は、さっきの激しさが嘘みたいに落ち着いている。なんだか嫌な予感がした。ジャンプする前にしゃがむ動作のようだ。
「そんなんだから、お前は前職を追われるんだよ。この犯罪者が」
 パワハラの次は個人情報漏えいと名誉棄損か。今すぐ罪名を口にして、手錠でも掛けてやりたくなる。でも真実は変えることはできない。罵詈雑言を飲み込んで、喪に伏せるしかできなかった。それがひどく悔しかった。
「お疲れ様です」
 タイムカードを切る音と共に事務所に響いた陽気な声には、寝ていないなんてことを感じさせない力強さがあった。部長の目が暢気な声を吐き出した笹崎に向く。火に油を注ぐという諺が、不意に浮かんだ。
「おい、笹崎」
 怒りの矛先が笹崎に向くと事務所にいる誰もが抱いたはずだった。だが笹崎は違った。満面の笑みで口を開く。
「えっ、なんですか? 勤務も終わったし、日報も書き終えましたよ」
 あまりに能天気な笹崎の発言に驚いてしまい、思わず頭を上げた。笹崎は不思議そうな様子で事務所を一瞥する。そして何かに気付いたかのように頷き、再び口を開いた。
「灰谷さんのとこ、東和ビルでしたっけ? そこで何があったかは知りませんけど、問題なく済んだんですよね? じゃあいいじゃないですか。それに部長、ずっと今のテンションで怒ってると血管切れちゃいますよ? 高血圧、悪化しちゃいますよ?」
「なんだ、その口の利き方は?」
 怒鳴った部長の圧など気にしない笹崎は、平然と続ける。
「だから怒り過ぎは良くないでっすって、部長。オレ、部長のことを心配して言ってるんですから。なんなら気持ちを落ち着ける為にハーブティー淹れましょうか?」と言ってから笹崎は時計を一瞥してから、再び口を開いた。
「ってそんな時間なかったんだ。今日、何の日か知ってますか? って、まぁ部長は知らないか。早く行かないと開場時間に間に合わないんで。失礼します」
 笹崎は普段通りのテンションで、何もなかったかのように事務所を後にした。静まり返っていた事務所にクスクス笑いが広がる。オレを吊し上げるという見せ場に気合を入れたはずなのに、笹崎の自由奔放な言動に水を差されてしまい、バツが悪そうだ。劇的に雰囲気を変えることができる力、好きなものの為ならば、今後の事など気にしない強さが眩しかった。
「ったく、今どきの若者はこれだからダメなんだ」
 先人たちの手垢がびっしりついた常套句を呟く部長の姿は、野球部時代の監督によく似ていて、成りたくない大人像そのものだった。
 さて、どう逃げようかと思考を巡らす。サンドバックのように殴られ続けるしかないという絶望的な答えに辿り着いた時、事務所の電話が鳴った。電話の近くにいた佐藤が受話器を取る。
「お電話ありがとうございます。あっ、はい。どうもお世話になっております。えっ、藤野ですか? はい、分かりました。少々お待ちいただけますか?」
 見事なまでのテンプレート対応を繰り出した佐藤は、電話の保留ボタンを押してから、少し焦ったような感じで部長とオレの顔を確認してから言った。
「あの部長。お電話です。東和ビルの方からです」
 笹崎のおかげで緩んだ緊張感が再び事務所に漂う。部長の表情が固くなる。オレと井上の顔を鬼の形相で睨んでから、自分のデスクの電話に手を掛けた。
「お電話変わりました、部長の藤野です。どうもお世話になっております」
 さっきまでの怒りをかき消す見事な声変り。社会人マナーよろしく丁寧な口調で応対する姿は呆れるほど内弁慶。どうしようもない場所に就職してしまったなとため息が出そうになる。職が選べる身分ではないから仕方がないかと自嘲する。
「この度は、ご迷惑をお掛けしまして大変申し訳ございま、えっ、あっ、はい。そうですか。はい、はい、はい。いえいえ、当然のことですから。はい、そのようなお言葉を頂き、大変恐縮です。はい、はい、こちらこそ、よろしくお願い致します。はい、それでは失礼いたします」
 電話の途中から部長の表情が緩んでいた。それに声のトーンが上がっていたのは、見聞きしていて明白だった。何が理由かは分からないけれど、部長の変化から判断して、どうやら再度説教を受けることは無さそうだ。
「灰谷、井上、次の勤務から襟を正せよ」
 部長は上機嫌を隠しきれず、でもさっきまでの説教を引きずるように強い口調は言った。さっきまでの怒りは消えている。表情と言葉のトーンの不一致に笑いそうになるのを我慢したのは、少なからず大人になっている証明だった。

「いや、災難だったな」
 ロッカールームに入るなり、先輩の諸星から声を掛けられた。
「何年か振りに説教を受けましたよ」
 オレは苦笑しながら答え、ロッカーに手を伸ばす。いつもの指定席は空いていなかったから、危うく間違えそうになる。事務所の規模と職員の数が合っていない職場のロッカーには自分の場所は無い。オレに限らず職員全員が、空いているロッカーを探すことから仕事が始まる。職員のデスクを定期的に動かして、不正防止、クリエイティブな発想を導こうとする前向きな理由など存在しておらず、単純に社長がロッカーを買うつもりがないだけ。社長自身は社長室があり、役職を担っているクラスの職員は指定だから気にもしていなのだろうけれど、末端にいる人間としてはこの動作が面倒で仕方がない。さっきの説教を始め、不平不満が空気と同化している職場にすがるしかできない状況としては、これくらいの面倒は飲み込まないといけないのだろう。
「あの人、新人いびりが趣味だからな。とばっちり受けてる途中に戻ってきたけど、あれはいつ見ても気持ちの良いもんじゃないな」
「そうですね」
 諸星はその後も延々と愚痴をこぼしながら、退勤の準備を進めていく。オレも同じように着替えをしながら、適当な相槌を打ってやり過ごす。
「飲みにでも行こうか」なんて銃口を向けられないように慎重に言葉を選びながら。諸星と酒を飲みに行くと奢ってはくれるが、ひたすら社会、家庭、仕事の愚痴を聞かないといけない。暴言、暴力が向くことは無いけれど、心にある程度の余裕がないと辛く、家に帰った頃にはどっと疲れることは経験で知っていた。
「そういえば笹崎、やけに元気でしたね?」 
 誘われそうな雰囲気を感じ、急ハンドルで話題を変える。よく見ると諸星の目の下には真っ黒なクマができている。恐らく自分もそうだろう。昼夜逆転の生活というものは、夜勤手当、自分の時間を創り出し、人との関わりを最小限にするメリットを得る代わりに生きていくために最重要項の健康を差し出す。学生時代にやっていたコンビニや居酒屋の深夜バイトとは訳が違う。大人になってヒシヒシと感じる割の合わなさ。これからもこの生活を続けていくのかと思うと、ため息が口からこぼれそうになる。
「アイドルのライブに行くらしいぞ」
 アイドルオタクである笹崎らしい動機で思わず笑ってしまう。たったそれだけの理由で、大胆な行動に移せるバイタリティとアイドルへの熱中加減に呆れと眩しさを感じた。
「若いっていいですね」
 自然と出た本音よって、ロッカールームに沈黙が訪れた。
 三十一歳の自分、笹崎は二十六歳。五つしか変わらないのに笹崎のことを若いと捉えてしまったことは、自分が老いたことを容赦なく突きつける。たった五年しか違わないのに、その五年には恐ろしいほどに差があることを伝えるかのような自分の発言だったからか、機能していなかった神経が過敏に反応する。ここで働く前は十個下くらいの若者を相手に仕事をしていた時には感じることは無かったのに。寝不足は、大敵だ。
「だな」
「それじゃ、お勤めに行きますかな」
 諸星はおどけたトーンで呟いて、ロッカーのカギを閉めた。
「ムショでも行くみたいな口調ですね」
「似たようなもんだろ?」
 そう言い残した諸星は、そそくさと事務所から出ていった。彼の背中を見送って、自分の名前を記したタイムカードを切る。ガチャ、と音を立てて刻まれた時刻。自分が働いたことを示す唯一の証明書。生きる為の金銭は、この薄っぺらい厚紙が握っていると思うと、腹立たしい。
 帰り支度を整えてから、足音を立てないようにして事務所を後にする。雑居ビルから外に出ると、朝日が街を照らしている。闇夜に生きる自分を否定しているような光が、自然と背中を小さくさせた。最近、下を向いてばかりだ。
 気持ちを切り替えるように顔を上げる。ビル街から見える青い空を眺めていると、欠伸が出た。目に入った自動販売機で缶コーヒーを買い、見慣れつつある街を進む。細い路地から大通りに出ると、急にテレビなどのマスメディアによって作られた都会像が顔を出す。高層ビル街を歩くスーツ姿の男女。誰もが同じような格好をしている。その統一性に抗うかのように可能な限りにオシャレをして、大都会東京に負けないように個性を主張している。恐らく何気なく身に付けているアイテムは、有名なブランドものなのだろう。無言のアピール合戦を横目に駅へと向かう。オシャレなオフィス街に相応しくない色が剥げた作業着を着る姿は、パーティー会場に飲食物を納品する一端の業者みたいだった。

文責 朝比奈ケイスケ

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