空虚な目をして何を思う【ショート・ショート50】
何故、自分自身に満足できないのだろうか。 ベッドの上に身体を預け、ぼんやりと考えてしまった。考えてしまったら最後、僕は設問を解くために腐っている脳みそを動かして答えを探してしまう。泥沼に嵌まったような時間だ。精神的に...
何故、自分自身に満足できないのだろうか。 ベッドの上に身体を預け、ぼんやりと考えてしまった。考えてしまったら最後、僕は設問を解くために腐っている脳みそを動かして答えを探してしまう。泥沼に嵌まったような時間だ。精神的に...
誰もいなくなった。僕は最後の生き残りだ。 自転車を漕いで、深夜の街を進んでいく。あの頃、当たり前に連んでいた仲間は、もういない。十年。長いような短い時間の中で、この場所から離れていった仲間の声、もう遠い過去だ。たまに...
スマホで連絡を入れても反応が無くて、イライラしながら控え室を歩き回る。こういう時、歩幅は正直に感情を映し出す。普段からいなくなることは多かったが、今日は大舞台。嫌な予感が胸をよぎった。 地図を参考にして歩き回ったこと...
集合場所であるターミナル駅の改札は、さっきまで居たオフィス街よりも賑やかだ。ウキウキした表情を浮かべる人の割合の方が多く、カップルや集団で行動する姿が目に入る。各自の話し声が重なり、不協和音を起こしているけれど、都会と...
午後7時半。街は少し浮かれ調子だ。一般的に週末の仕事終わりは、明日からの休みにそれぞれの思いを馳せる。当たり前だ。会社や仕事から離脱でき、やりたいこと好きなことに全力を注げる、自分を偽らずに過ごせるのだから。たった48...