梅雨が明けて、平成最後の夏。
梅雨が明けた。 あまり梅雨の実感を抱くことなく 過ぎ去った雨の季節は なんだか徒労ばかりが 目立つことばかりだった。 そうして平成最後の夏がやってきて 高校野球も切り良く100回大会。 「最後の夏」と言えば自然と 高校生...
梅雨が明けた。 あまり梅雨の実感を抱くことなく 過ぎ去った雨の季節は なんだか徒労ばかりが 目立つことばかりだった。 そうして平成最後の夏がやってきて 高校野球も切り良く100回大会。 「最後の夏」と言えば自然と 高校生...
6月28日。 僕にとって忘れられない日。 確か去年のこの日は雨が降っていて 僕はびしょ濡れになりながら 涙を流して、睨むように 曇天の空を見上げていたな。 「で、この部屋なんですが……」 スーツ姿で話す男の表情は 何かを...
水無月も終盤戦。 ワールドカップで期待されていなかった 日本代表の快進撃に沸く列島は 今日もサッカーで一色だ。 あと数日もすれば文月に入る。 それは今年も後半戦に突入することを 意味している、驚くべき事実だ。 年々、時間...
誰もいない部屋には飲んだ記憶のない ビールの空き缶が何本も転がっている。 仕事を終えてから一人で飲んだ結果 作業着姿のままに眠ってしまったようだ。 窓から遠慮なく入り込む隙間風が 湿った空気を絶えず部屋に取り込んでいる。...
背中が熱い。 噴出する汗が着ていた ワイシャツを濡らし、背中に張り付く。 普段なら気持ち悪さを伴う感覚なのに 今日は少しだけ印象が違う。 体育館の壇上で演奏する バンドを照らす光は明るく 暗闇になっている壇上の下に 設け...
交差点の信号が青になるのを 名前も知らない人達と待っていた。 目の前を過ぎ去る車の多さに 戸惑ったのはずいぶん昔の話で 今では日常になっている。 東京という街に染まっていることを 自覚しそうになった時に 雨の匂いが、嗅覚...
テレビを封じた部屋になって、数日が経過した。 ある液体が蒸気や氷になるような 劇的な変化はあまり感じていない。 そんなもんだとは分かっていたが 実証実験は幾つもの価値観に余白を作った。 例えば、今までテレビに費やしてきた...
「何かを得るには何かを犠牲にする」 誰が言ったのか定かではないが 割と市民権を得ている言葉の一つである。 部活に集中したいからという理由のもと 彼氏・彼女と別れるといった場合などに 頭の浮かぶのではないだろうか。 まぁ、...
梅雨を追い越して夏がやってきたかのような 地上を照らす太陽の光に溶けそうになりながら それでもぼんやりと時間を過ごすのは 恐らく義務教育よりもエグイ呪縛だろうか。 なんて生産性のない中二病的発想を 頭の片隅に置きながら、...